A問題・B問題のテストを、正答を取り違えずに採点する方法
A問題・B問題(またはA〜Dの4種類)を用意するとカンニングは減らせますが、どの答案も正しい正答で採点できてこそ意味があります。公平な問題パターンの作り方、問題の種類(試験コード)ごとの正答表の書き方、混ざった答案の束を手作業または写真で採点する方法を紹介します。
Snap AI チーム ·
学校によって、A問題・B問題、A〜Dの4パターン、問題の種類、試験コードなど呼び方はさまざまです。ここでいう A問題・B問題 は難易度別の問題ではなく、同じ内容で問題や選択肢の順番を入れ替えた複数パターンのテストを指します。呼び名が何であれ、A問題・B問題を採点するときのルールは同じです。すべての答案に問題の種類を示すコードがはっきり書かれていること、コードごとに正答表があること、そしてどの正答表で採点するか分かるまで答案に手を付けないこと。取り違えの多くは、採点そのものではなく、このどれかを守らなかったことから起こります。
テストを複数パターン用意する理由
いちばんの理由はカンニング対策です。席が近いと、隣の答案が教室でいちばん手近な「正答表」になってしまいます。隣の生徒が同じ問題を別の順番で、選択肢も入れ替えて解いていれば、のぞき見をしても得になりません。
効果の大部分は座席の配置で決まります。カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego)の Academic Integrity Office は、生徒の間隔を空けられない場合は複数パターンの問題を使うよう勧めており、隣同士が同じ問題にならないようにするには通常3種類以上が必要だとしています。4種類あれば、前後・左右・斜めのどの席とも問題が重なりません。1列目に 101、102、103、104 を順に並べ、2列目は 103 から始め、以降はこの2列を交互に繰り返します。
問題の順番を変えても、特定の順番に当たった生徒が不利になることはなさそうです。2003年の Journal of Statistics Education の研究では、McLeod、Zhang、Yu の3人が、442人が受けた選択式の中間試験で問題順と選択肢の順番をランダムに入れ替え、どちらも得点に有意な影響を与えなかったと報告しています。ただし、複数パターンは万能ではありません。正答の流出や机の下のスマホには効果がありません。
公平な問題パターンの作り方
公平な複数パターンとは、同じ内容を別の順番で問うものです。まず元になる問題(原本)を1つ完成させ、すべてのパターンをそこから作りましょう。
- 先に原本を完成させる。 誤字や言い回しは並べ替える前に直します。あとからの修正はすべてのパターンで繰り返す必要があり、そこでパターン同士にずれが生じます。
- 問題の順番は入れ替えても、まとまりは崩さない。 同じ長文・図・資料を使う問題は1つのブロックとして動かします。最初の数問の易しい問題は、肩慣らしとして固定しておく先生も多くいます。
- 選択肢の入れ替えは慎重に。 1つの問題の中で A〜D(ア〜エ)を入れ替えるのは、ほとんどの問題で問題ありません。数値の選択肢は小さい順のままにし、「上のすべて」のような選択肢は動かすと意味が崩れるので、その位置に残します。
- 難易度と配点をそろえる。 問題数、1問あたりの配点、合計点を同じにします。並べ替えではなく別の問題を作る場合(平行テスト)は、単元ごとに対応させてください。
- すべてのページのヘッダーにコードをはっきり印刷する。 枠で囲み、どのページも同じ位置に入れておけば、2枚目がばらばらになっても照合できます。別の解答用紙(マークシートなど)を使う場合は、生徒にコードを書き写してもらいましょう。
- 対応表を保存する。 原本の各問題が各パターンの何番に移ったかを記録します(原本の問7は 102 の問22、など)。あとで結果を比べるときに必要になります。
アルファベットか数字か。A問題・B問題という呼び方はなじみがありますが、用紙に書くコードが1文字のアルファベットだと、選択肢の記号と紛れやすくなります。101、102 のような短い番号のほうが読み間違えにくいでしょう。どちらにしても、答案と正答表にはまったく同じ表記を使ってください。
問題の種類ごとに正答表を作る
正答を記憶に頼って打ち直すのはやめましょう。各パターンの正答表は、原本の正答と対応表から作るか、並べ替えに使ったツールでパターンごとに書き出します。そのうえで、問題番号ごとに正答がちょうど1つあるか、A〜D がほぼ均等に散らばっているかを確認します。
手で採点するなら、パターンごとに正答の短冊や透明シートを作り、上部にコードを大きく印刷しておくと、束の途中で別の正答表を手に取るミスを防げます。
Snap AI で複数の試験コードの正答を入力する形式
Snap AI では、すべてのパターンの正答を1つのテキスト欄にまとめられます。そのコードの正答の前に 試験コード 101、次の正答の前に 試験コード 102 と書いていきます。例:
- 試験コード 101:1.A 2.B 3.C 4.D 5.B …
- 試験コード 102:1.C 2.D 3.A 4.B 5.A …
- 試験コード 103:1.B 2.A 3.D 4.C 5.D …
コードを正答の上の行に単独で書いてもかまいません。番号の書き方が多少違っても、コードと正答がはっきり読み取れれば大丈夫です。正答表を撮影したり、ファイルでアップロードしたりすることもできます(最大10ファイル)。確認 を押すと、解答から読み取った試験コード にコードごとの問題数が一覧表示されます。解答を見る を開けばコードごとの正答を確認でき、採点前に手で修正できます。
A問題・B問題の採点方法:手作業とツール
手作業で採点する
- 採点を始める前に答案をコードごとに仕分け、それぞれの束の枚数を座席表と照らし合わせます。
- コードが書かれていない、または読めない答案は別にしておき、あとで座席表や名簿と照合します。
- 1つの束を、そのコードの正答表だけで採点します。次の束に移る前に、その正答表はしまいます。
- 教務手帳や成績一覧表には、得点と一緒にコードも記録します。あとで点数について質問されたとき、正しい正答表で確認できます。
仕分けが自分を守ります。怖いのはミスが表に出ないことです。違う束に紛れた答案にも点数は付きます。その点数が間違っているだけです。
マークシート読み取り機・アプリ
光学式マーク読取(OMR)のツールの多くも、専用の解答用紙を読み取る形で複数パターンに対応しています。2026年10月時点では、たとえば ZipGrade は1つのクイズに複数の正答を登録でき、生徒が解答用紙で自分の正答のバージョンをマークします。Gradescope のバブルシート課題 は最大5パターンまで扱えます。どちらも、全員がそのツールの用紙に正しく記入していればうまく機能します。
Snap AI で採点する
Snap AI なら仕分けは不要です。答案を順不同で撮影するだけで、スマホやパソコンのウェブアプリからでも、Android アプリからでも使えます(手順の解説)。問題用紙に丸を付けた解答も、解答用紙やマークシートに記入した解答も採点できます(詳しくはこちら)。
AI が各答案の試験コードを生徒の氏名・クラスと一緒に読み取り、Snap AI がそのコードの正答と解答を照合します。正誤は AI の判断ではなく、正答との単純な照合で決まります。コードは写真から読み取るので、ヘッダーを枠内に収めてピントを合わせてください。生徒のコードが薄い場合は、撮影前にヘッダーの横にはっきり書き直しておきましょう。
採点 を押す前にコードを確認しましょう。採点する答案 の一覧では、答案ごとに読み取ったコードが 試験コード 101 のように表示されます。コードが表示されない答案は、バッチが下書きのうちに削除し、より鮮明な写真を追加してください。正答に複数のコードがあるのにコードのない答案があると、その答案で採点が止まってバッチは 失敗 になり、新しいバッチを作り直すことになります。コードは読み取れたものの正答のどのコードにも一致しない場合(正答が 101〜104 なのに 107 など)、その答案は正答の最初のコードで採点されます。思いのほか低い点数があれば、そのコードを確認してください。
コードが抜けている、読めない、または間違っている答案(102 を解いたのに 101 と書いた生徒など)は個別に採点します。その生徒が実際に解いたパターンの正答だけを入れた小さな別バッチに入れてください。正答のコードが1つだけなら、バッチ内のすべての答案がその正答で採点されます。
採点例:4種類・50問・120人
中学3年の理科を4クラス(各30人、計120人)受け持ち、4択(A〜D)の選択問題50問、1問2点の100点満点のテストを行うとします。原本から 101〜104 の4種類を作り、上で紹介した列の並びで座らせます。
| 作業 | 手作業 | Snap AI |
|---|---|---|
| 正答の準備 | 4種類 × 50問 = 200個の正答を書いて確認 | 同じ200個の正答を4つの試験コードに分けて1つの欄に入力し、画面で確認 |
| 答案の仕分け | 120枚をコードごとに4つの束に分ける | 仕分け不要:各答案のコードを写真から読み取る |
| 採点 | 120枚 × 50問 = 6,000個の解答を正しい正答と照合 | 写真から読み取った解答を各コードの正答と照合し、先生は要確認の問題を見直す |
| 記録 | 120人分の得点とコードを成績一覧表に転記 | CSV で出力:Name、Exam Code、Score、Notes と問題ごとの列 |
| パターンの比較 | 束ごとの平均点を自分で計算 | バッチの統計を試験コード別に表示 |
Snap AI での手順:
- クラスごとにバッチを1つ作ります。CSV にはクラスの列がないため、バッチを分けておけばクラスが混ざらず、クラスごとの統計も見られます。
- 配点設定 で 配点スケール を 100 にします。各問同じ配点(初期設定)なら1問2点になります。初期値の10のままだと1問0.2点です。
- 解答と答案 の 解答を入力 で テキスト タブを開き、4種類の正答をそれぞれ試験コードから書き始めて入力し、確認 を押します。4つのコードが表示され、どれも50問になっているか確かめます。
- 採点する答案 で、そのクラスの30枚を順不同で撮影します。1枚の答案は生徒1人分です。複数ページの答案はすべてのページを同じ答案に追加し、次の生徒は 別の生徒の答案を追加 から追加します。
- 一覧のすべての答案に 101〜104 の試験コードが表示されているか確認します。表示されていない答案は削除して撮り直し、採点 を押します。
- 未採点の問題がある答案は 確認する で開きます。元の写真の横に、問題ごとの生徒の解答・正答・配点が表示され、配点を変更すると合計点が再計算されます。
- 統計を表示 でパターンを比べ、CSVとしてエクスポート で成績一覧に取り込みます(Excel や Google スプレッドシートへの取り込み方)。
Snap AI は現在無料で使えますが、無料プランでは1日に採点できる答案の枚数に上限があります。アプリに本日採点した枚数が表示されるので、学年全体を採点する前に確認しておきましょう。
複数パターンのテストでよくある失敗と防ぎ方
- 違う正答表で採点する。 別の束に紛れた答案や、ラベルを間違えた正答表で付けた点数も、一見もっともらしく見えます。4択50問のテストでは、でたらめに答えても平均で約12〜13問正解します(1問2点なら約25点)。普段よくできる生徒が25点前後なら、まずコードを確認しましょう。
- コードのない答案。 生徒がコードを書き忘れたり、2枚目が1枚目から外れたりします。生徒任せにせず全ページにコードを印刷しておき、点数が確定するまで座席表を保管しましょう。
- 合計がそろわない。 並べ替えの途中で1問抜けて、あるパターンだけ49問になれば、その生徒たちは別のテストを受けたことになります。Snap AI ではそのコードの正答にある問題だけが採点され、均等配点では合計点がその問題数で割られるため、1問抜けるとそのパターンの全問題の配点が変わります。確認 の後に、コードごとの問題数を確かめてください。
- 正答表の打ち間違い。 あるパターンの正答が1文字違うだけでも、影響を受けるのはそのパターンを解いた生徒だけなので、見落としがちです。採点前に正答を確認しましょう(Snap AI では 解答を見る で確認できます)。採点後に誤りに気付いたら、該当する問題を 確認する の画面で修正するか、正しい正答で新しいバッチを作って採点し直します。
- 互いを参照する選択肢。 「A と C の両方」は、A と C が移動すると意味を失います。パターンを作る前に固定するか、書き直しておきましょう。
試験コードごとに結果を読む
パターンごとの結果を見れば、どのパターンも同じように公平だったか、どれかの正答表に誤りがないかが分かります。まず各コードの平均点を見ます。多少の差は普通ですが、ほかより大きく低いパターンがあれば詳しく調べる価値があります。
次に、原本の同じ問題をパターン間で比べます。103 の問15 は 101 の問15 とは別の問題なので、対応表を使って並べてください。
| 試験コード | M7 の位置 | 正解した生徒 |
|---|---|---|
| 101 | 問7 | 30人中24人 |
| 102 | 問22 | 30人中25人 |
| 103 | 問15 | 30人中2人 |
| 104 | 問33 | 30人中23人 |
この 103 のように、3つのパターンの結果がそろっていて1つだけ極端に低い場合、設問自体にはおそらく欠陥はありません。考えられる原因は、そのパターンの正答表か、そのパターンに印刷された問題(選択肢を動かしたのに正答を直していない)です。問題を書き直す前に、両方を確認しましょう。
Snap AI では、統計を表示 を押すと 統計 ページが開きます。バッチのクラス平均に続き、問題別の解答 の下にコードごとのグラフがあり、各問題の正解・不正解・未採点の数と、そのコードの最低点・平均点・最高点が表示されます。CSV には Exam Code の列と問題ごとの列があるので、スプレッドシートでコード別に絞り込めば、さらに詳しく設問分析ができます。あるパターンだけ未採点の問題が多い場合は、読み取り精度に影響する要因を参考にしてください。
よくある質問
関連ガイド
- マークシートのテンプレートを無料で作成・印刷(1〜100問)ブラウザ上で選択問題用のマークシート(解答用紙)を作成できます。問題数・選択肢・用紙サイズ・記入欄を選んで印刷するか PDF で保存するだけで、登録は不要、授業での利用は無料です。
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